子どもの肌のかゆみ

子どもの肌のかゆみItchy skin

子どもの肌のかゆみについて 

「肌がかゆくて掻きむしっています」「肌をよくこすっています」小児科ではこうした相談を受けることが多く、実は子どもの肌の悩みトップ3に入るのが、肌のかゆみです。かゆみがひどい場合に肌を掻きむしってしまい、掻き傷から細菌が入り込んで感染症を起こしたり、夜中もかゆみのせいで目が覚めたりと子どもの生活にとっても大きなストレスになってしまうこともあります。かゆみの原因や対策、予防に関する内容をしっかり取り入れて子どもの健康な肌や生活習慣が整うようにしていきましょう。

かゆみの原因

子どもの肌は大人に比べて皮膚が薄く、肌のバリア機能が未熟なため、(1)外部からの刺激に敏感、(2)デリケートで乾燥しやすいという特徴があります。そのため、肌が様々な刺激を受けたり、乾燥そのものでかゆみが生じたりすることもあります。

あせも(汗疹) 

夏のイメージが強いかもしれませんが、子どもは大人と同じ数の汗腺を持ち、汗をかきやすいため、厚着をする冬場でもあせもに悩まされることがあります。

乾燥肌・乾燥性湿疹 

子どもの肌は皮脂の分泌量が少なく、特に乳幼児期から思春期前は乾燥しやすい状態にあります。空気が乾燥する秋冬に特に注意が必要ですが、夏でもエアコンや紫外線によって乾燥することがあります。

しもやけ

寒い冬に血行が悪くなることで起こる皮膚トラブルです。手足の指や耳たぶ、鼻、頬など、冷気に触れやすい部分が赤く腫れて、痛みとかゆみがあることが特徴です。

虫刺され

蚊やノミ、ダニなど、身近な虫に刺されることでかゆみが生じます。屋外だけでなく、暖房が効いた冬の室内でも刺されることがあります。子どもは虫刺されに対する反応が強く出やすく、刺された部分が赤く腫れたり、水ぶくれになったり、強いかゆみを伴うことが多いです。

アレルギー反応(食物アレルギー・接触性皮膚炎など)

特定の食べ物を食べたときにかゆみを生じる食物アレルギーや皮膚に化粧品や植物などのアレルゲンが触れることでアレルギー反応が起こり、かゆみや水ぶくれを伴うかゆみが出ることがあります。

じんましん

突然、蚊に刺されたように皮膚が盛り上がり、強いかゆみを伴いますが、通常数十分から1日以内に跡を残さず消えます。原因は多岐にわたりますが、特定できないことも多いです。

アトピー性皮膚炎

かゆみのある湿疹が慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。乳児期には顔や頭に、幼児期・学童期にはひじやひざの関節の内側、首、お尻などに湿疹ができやすい特徴があります。

ウイルス感染症

発熱を伴うかゆみや赤いブツブツがある場合は、ウイルス性の感染症の可能性があります。はしか、水ぼうそう、風疹などが挙げられます。

かゆみの治療

かゆみの治療の基本は、「かゆみを抑える」「かゆみが起きないようにする」の2点です。かゆみが発生している時にはうまく薬を使ってかゆみを抑え、日ごろのスキンケアなどを通じてかゆみが起こりにくい肌の状態や生活環境を整えていくようにしましょう。ただし、肌のかゆみを落ち着かせていくためには、原因を正確に見極め、それに合った適切な治療をきっちり進めていくことが大切です。

かゆみを抑える治療:お薬での治療

ステロイド系の塗り薬(外用薬)

かゆみを和らげていくために使用する塗り薬で、炎症を抑える働きによりかゆみを軽減していきます。ステロイド薬と聞くと、肌が黒くなる、毛深くなるなど副作用を心配される方もいらっしゃいますが、適切に使用していくことで副作用のリスクは低くなります。使用量や使用期間については、医師に相談するようにしてください。

「非ステロイド」の塗り薬(外用薬)

ステロイドが使いにくい顔や首、目の周囲などの部位での選択肢として注目されています。以前から使われているプロトピック、最近に使用が広がってきたコレクチム、モイゼルト、というお薬があります。
症状の部位、程度によって、ステロイド外用薬との併用やステロイドからの切り替えで効果的に使うことができます。

抗ヒスタミン系の塗り薬(外用薬)

かゆみを伴った、赤みや腫れのあるアレルギー性反応を軽減する働きがあります。かゆみのほとんどはアレルギー反応であるため、アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬を使用します。

抗ヒスタミン系の飲み薬(内服薬)

強いかゆみを伴う場合や、かゆみで眠れない場合などには、かゆみを和らげるために飲み薬を使用することがあります。塗り薬で対処しきれない場合には、飲み薬を併用することで、かゆみを抑えていきます。

かゆみを起こりにくくする対策

スキンケア

肌のバリア機能を整えることは、かゆみ治療の基本であり、再発を防ぐ上でも非常に重要です。肌を清潔に保つことと、丁寧に保湿をすることを心がけてください。入浴後や寝る前など、決まった時間に保湿剤を塗る習慣をつけるようにしましょう。

スキンケアの他にも、生活の中でも肌のかゆみを悪化させる原因は多くあるため、できる限り原因を取り除くことも重要です。

衣類

肌への刺激を避けるため、吸湿性に優れた木綿など、肌触りの良い天然素材の衣類を選びましょう。

入浴の温度

熱すぎるお湯は肌のうるおいを奪い、かゆみを増すことがあります。体温より少し高い38度~40度程度のぬるめの温度を目安にしましょう。

ダニ対策

ダニはアトピー性皮膚炎を悪化させる可能性があるので、布団をこまめに干したり、掃除機でダニやほこりを取り除いたり、防ダニカバーを使用するなどの対策も有効です。

かゆみの対処法

子どもがかゆがっている時、つい「掻いちゃダメ!」と言ってしまいがちですが、かゆみを我慢するのは大人でも大変なことです。叱られることがストレスになり、かゆみがさらに増すこともあります。かきむしってしまうと、皮膚を傷つけたり、かゆみ物質が放出されてさらにかゆくなったりする「かゆみの悪循環」に陥ってしまいます。

かゆみが強い場合には、かゆい部分をタオルで包んだ保冷剤などで冷やしてあげるのがおすすめです。水で濡らしたタオルでも良いでしょう。冷やしすぎると皮膚を傷める可能性があるので、保冷剤を直接肌に当てるのは避けましょう。

また、かきむしって皮膚を傷つけるリスクを減らすため、子どもの爪は常に短く切っておきましょう。特に外で遊ぶ子どもは爪の中に汚れがたまりやすいので、清潔に保つことも重要です。

受診の目安

子どものかゆみの原因は多岐にわたるため、ご家庭でのケアで様子を見るべきか、すぐに医療機関を受診すべきか迷うこともあるかもしれません。以下のような症状が見られる場合は、早めに受診しましょう。

  • 発熱を伴うかゆみ
  • 湿疹が広範囲に広がっている
  • かゆみが強くて掻かずにいられない
  • かゆみだけでなく腹痛や嘔吐、腫れや痛みを伴っている
  • 強いかゆみで日常生活に支障がある
  • ご家庭でのケアで改善が見られない、または症状が悪化する場合
  • かゆみの原因が不明な場合
  • 強いアレルギー反応であるアナフィラキシー症状(意識が無いなど)がある

子どもの肌トラブルは、成長とともに変化していくものです。気になることがあれば、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。川崎市麻生区、新百合ヶ丘駅駅前デッキ直結のにじいろ子どもクリニックでは、子ども一人ひとりの状態に合わせた丁寧な診察と治療、そしてご家庭でのケア方法についても詳しく説明するスキンケア専門のつるつる外来を実施していますので、お気軽にご相談ください。

川崎市の新百合ヶ丘で子どもの健康を守る小児科医

にじいろ子どもクリニック

院長 潟山亮平

慶應義塾大学医学部を卒業後、大学病院や総合病院で小児全般・小児循環器の診療に従事。川崎市の新百合ヶ丘に開院したクリニックでは、便秘、夜尿症、小児アレルギーや感染症対策にも力を入れている。「に(にっこり)じ(じっくり)い(いっしょに)ろ(がんばろう)」をモットーに、お子さまの健康と成長を見守るホームドクターとして、地域医療に貢献。医師として保護者の不安にもよりそい川崎市の子どもたちの健やかな成長をサポートしています。