乳糖不耐性下痢症

二次性乳糖不耐性下痢症Lactose Intolerance

乳糖不耐性下痢症ってどんな病気?

牛乳などの乳成分を摂取した後に起こる下痢乳糖不耐性下痢症と言います。
乳糖不耐症には、生まれつきの先天性のものと、胃腸炎の経過の後に下痢が持続する二次性乳糖不耐性下痢症があり、小児の多くの場合には二次性乳糖不耐性下痢症です。

二次性乳糖不耐性下痢症の原因

「乳糖」は、母乳やミルク・牛乳などに含まれています。
本来は乳糖分解酵素の働きで、おなかの中で「ブドウ糖」「ガラクトース」に分解されています。
ところが胃腸炎により腸機能が低下すると、一時的に乳糖を分解する酵素の分泌が悪くなることにより、乳糖を分解して消化吸収することができなくなり下痢や酸っぱい臭いの便を引き起こします。

二次性乳糖不耐性下痢症の症状

主な症状は、長引く下痢(2週間程度以上~)です。
消化不良によりお腹が張ったり腹痛を認めることもあります。
比較的食欲や活気は維持されています。
また、吸収しきれなかった乳糖が腸内細菌によって発酵することで、酸っぱい臭いの便を引き起こします。

二次性乳糖不耐性下痢症の治療

乳糖の分解を助ける、乳糖分解酵素薬を処方します。
また、乳糖を含まないミルクを使用することで改善する場合もあります。

すでに離乳食を始めている場合には、乳製品を少し控えていただくことになります。
基本的には牛乳を控えていただくことが一番ですが、食事で乳糖を含む食品(生クリームやアイスクリームなどの乳製品)の摂取を控えていただくことでコントロールします。
うどん・おかゆ・野菜スープ・卵など消化の良い食べ物は与えてもらって結構です。

よくある質問

あらゆる乳および乳製品を避けるべきですか?

いいえ。多くの場合、食事から乳糖を完全に排除することは不要です。
また、栄養的に賢明でもありません。まずは量を減らすことから始めてください。
牛乳と比べると、熟成チーズやヨーグルトは下痢症状を起こしにくいと言われています。
また、乳製品を少量から少しずつ摂取することで酵素誘導が起こり、乳糖不耐性下痢症を軽快させる場合もあります。

川崎市の新百合ヶ丘で子どもの健康を守る小児科医

にじいろ子どもクリニック

院長 潟山亮平

慶應義塾大学医学部を卒業後、大学病院や総合病院で小児全般・小児循環器の診療に従事。川崎市の新百合ヶ丘に開院したクリニックでは、便秘、夜尿症、小児アレルギーや感染症対策にも力を入れている。「に(にっこり)じ(じっくり)い(いっしょに)ろ(がんばろう)」をモットーに、お子さまの健康と成長を見守るホームドクターとして、地域医療に貢献。医師として保護者の不安にもよりそい川崎市の子どもたちの健やかな成長をサポートしています。