アデノウイルス感染症Adenovirus
アデノウイルス感染症ってどんな病気?
アデノウイルス感染症はいわゆる「かぜ」の一種で、アデノウイルスというウイルスに感染することで発症する病気です。
夏に流行するプール熱はアデノウイルス感染症の一種で、プールの水を介して感染するほど感染力が強いので特に注意したい感染症の1つです。

アデノウイルス感染症の原因
アデノウイルス感染症の原因は、アデノウイルスへの感染です。
アデノウイルスは51種類の型があり、一度感染しても免疫ができにくく繰り返しかかることもあります。
感染力が非常に強く、プールの水を介する他、せきやくしゃみなどで出た唾液に含まれるウイルスが原因の「飛沫感染」や、唾液や涙のついたスマートフォンなどを触って感染する「接触感染」などが感染経路です。
他にも、感染した子どもの排泄したうんちに潜むウイルスが原因となる 「糞口感染」などがあります。
アデノウイルス感染症の症状
- 発熱
- のどの痛み
- 咳
- 下痢
- 嘔吐
- 目やに
- 目の充血
- 出血性膀胱炎

などの症状が見られます。
感染するウイルスの種類によって症状が現れる部位が異なり、アデノウイルス感染症は大まかに以下の5つの症状で分けられます。
- プール熱(咽頭結膜熱) 38℃以上の高熱が4~5日程度続いたり、のどの痛みを伴います。
- 流行性角結膜炎 目の充血や目やに・涙目などの眼症状がみられます。
- 呼吸器感染症 咳やのどの痛みなどの症状が特徴的です。熱が3~5日間と長く続きます。
- 胃腸炎 腹痛、嘔吐や下痢などの症状が特徴的です。水分が失われやすくなるので脱水症状に注意が必要です。排便されたうんちにウイルスが潜んでいるので、おむつを替えたときには手指の消毒をしましょう。
- 出血性膀胱炎 おしっこをするときに痛みを感じたり、血尿が出ることがあります。2~3日程で症状は良くなりますが、血尿は1~2週間続くこともあります。
アデノウイルス感染症の治療
アデノウイルス感染症には抗菌薬は効かないため、症状をやわらげる対症療法によって重症化や脱水症状を起こさないように注意することが治療の基本となります。のどの痛みがひどくて飲食ができない場合や吐き気がひどい場合には、お薬を使用して症状を和らげることもあります。
のどの痛みが強い場合には食べたり飲んだりを嫌がることもあります。
ぬるめのお茶やプリンなどのどごしが良いものを摂るようにしましょう。
発熱のため食欲が低下したり不機嫌な場合には、解熱剤の使用を検討しましょう。
下痢止めを使うと、排出されようとしていたウイルスが体内に残ってしまうのため使いすぎないように注意が必要です。
治療を始めてから3~4日程度経過しても症状が治まらない場合には、医療機関を再度受診するようにしてください。

アデノウイルスの予防
手洗いとうがいをしっかりと! 感染予防は手洗いとうがいが基本です。
石鹸を使って手のしわや指の間、爪の間までしっかりと洗うようにしましょう。
プールに入った後には、流水で目を洗うことも大切です。
タオルは使い分けましょう タオルを共有すると、唾液や鼻水、涙などに含まれたウイルスが付着して感染を拡げてしまう恐れがあります。
タオルや食器の共有は避けるようにしましょう。
室内も忘れずに消毒 手で口元や目を触ったり、くしゃみをした際に飛沫がつくと、そのままの手でドアノブやリモコンを触るとウイルスが付着して10日以上残ることもあります。
感染したお子さんが触った場所はこまめに消毒をするようにしましょう。