湿疹

湿疹eczema

湿疹ってどんな病気?

湿疹(ポツポツ、カサカサ、赤み)とは、皮膚に起こる炎症の総称のことで皮膚炎とも呼ばれます。子どもの肌は皮膚が薄く、バリア機能も未熟なため、頻繁に湿疹が見られることも少なくありません。湿疹と一言で言っても、様々な症状や原因があります。

強いかゆみを訴えず、ぶつぶつが部分的である場合は、一時的な肌荒れということもありますのでご自宅でしばらく様子を見てあげて下さい。
しかし、以下のような変化が現れた場合には、感染性疾患による湿疹の場合もありますので、医師の診察を受けてください。

  • かゆみ、発熱、舌の赤み、頬の赤み、水ぶくれ、ぐったりしているなど全身症状
  • ぶつぶつの範囲が広がった、他の場所にも現れた
  • ぶつぶつの状態が悪化した

湿疹の原因

何かに触れて生じるかぶれや乾燥によるもの、感染症によるものなど、湿疹が現れる原因はさまざまです。
ウイルスや細菌などによる感染症の発疹の多くは発熱を伴います。
発熱を伴わない場合は、皮膚がかぶれやすいものに接触してかぶれたり、皮膚に細菌が侵入して起こるとびひ、食物アレルギーに代表されるじんましんなどがあります。

まずは身体のどの部分にどの程度広がっているか、湿疹の他に熱やかゆみ、痛みがあるかなど、お子さんの身体の様子をよく観察しましょう。

湿疹の症状

最初にお伝えしたとおり、湿疹にもカサカサしたものやポツポツと発疹ができるなど様々な症状があります。湿疹の種類によってケアも変わってくるので、湿疹の状態をしっかり確認して、見極めることが大切です。

  • 脂漏性皮膚炎(しろうせんひふえん)
    皮脂の分泌が多い頭皮や顔に出来るカサカサした湿疹をいいます。
  • おむつかぶれ
    おむつを着けることで、お尻の赤い湿疹、ただれなどが起こることがあります。
  • 汗疹(あせも)
    赤ちゃんは大人とくらべて汗をかきやすいため、あせもが起こりやすいです。
    赤いぶつぶつや水疱となって現れます。
  • アトピー性皮膚炎
    赤み、かゆみの強い湿疹を伴います。
    生後2~3カ月頃から発症するケースがよく見られます。最初は頭や頬を中心とした顔からの湿疹から始まり、その後は少しずつ全身に広がっていきます。
  • とびひ(伝染性膿痂疹)
    擦り傷・切り傷、虫刺されの痕などから細菌が入り込み発症します。
    皮膚の赤み、腫れ、水ぶくれ、ジュクジュクといった症状が現れます。

湿疹の治療

湿疹で炎症が見られる場合には、ステロイドの塗り薬を使って炎症を落ち着かせていくことが基本的な治療です。ステロイドと聞くと、「皮膚が薄くなる」「肌が黒くなる」などの副作用が心配と相談されることもあります。しかし、ステロイドは適切に使えば副作用が起こりにくい薬ですので、肌の状態や年齢に応じて強さの異なるステロイドを使い分けたり、使用期間を調整したりすれば、問題になることは基本的にありません。

ステロイドの塗り薬と合わせて、保湿剤を使用することも大切です。子どもの肌は乾燥や刺激に弱いので、保湿剤を塗って肌をバリアしてあげましょう。乾燥や汚れなどの刺激は、湿疹の原因にもなるので、肌がきれいに見えるときにも保湿剤使って対策することがポイントです。

よくある質問

肌にブツブツができました。すぐに受診した方がいいですか? 

湿疹が出たからと言ってすぐに受診する必要はありません。湿疹はしっかりケアをすれば、良くなっていくことがほとんどです。ただし、湿疹に加えて熱が出ている場合などには早めに受診することをお勧めします。
湿疹が時間経過とともに、落ち着いていくこともあるため、医療機関を受診する際にはスマホなどで写真を撮ってからご来院ください。症状の経過がわかるため、正確な診断につながります。

ステロイドは、子どもも使っても大丈夫? 副作用はないの?

ステロイドの塗り薬は、適切な量を適切な期間に塗ることで、お子さんの肌の炎症を和らげてくれます。強いステロイドを長期間使用した場合に副作用がでやすくなりますが、当院では肌の状態を確認しながら、ステロイドの強さを変えて処方しています。