RSウイルス予防接種

RSウイルス予防接種

  1. RSウイルス感染症について
  2. RSウイルス感染症の重症化リスク
  3. RSウイルス感染症の対策
  4. RSウイルス予防接種の種類
  5. 予約方法

RSウイルス感染症について

RSウイルス感染症は、その名前の通りRSウイルスというウイルスへの感染が原因となる赤ちゃんに多い病気の一つです。生後1歳までに50%以上、2歳までにほぼ100%の赤ちゃんが感染すると言われています。よくある風邪のように鼻水・鼻づまり、くしゃみ、咳などの症状が見られますが、重症化した場合は咳がひどく、呼吸困難、喘鳴などの症状が出ることもあり、入院が必要になることもあります。

RSウイルス感染症の重症化リスク

RSウイルス感染症は、特に生後6カ月未満の赤ちゃんで重症化しやすい特徴があります。
健康な赤ちゃんでも重症化することがあり、肺炎や細気管支炎などの合併症を引き起こし、呼吸困難に陥って命に係わることもあります。さらに、後遺症として喘息や反復性喘鳴などのリスクが高くなることもわかっています。
日本では、毎年約12万〜14万人の2歳未満のお子さんがRSウイルス感染症と診断され、そのうち4人に1人のお子さんは入院が必要になっていると言われています。残念ながら、RSウイルス感染症には特効薬がありません。重症化しやすく、特別な治療が無いからこそ、重症化しないようにしっかり予防することが大切です。

特に、以下の条件に当てはまる場合、RSウイルス感染症の重症化リスクが高いとされているため、よくある病気ではありますが注意が必要です。

重症化リスクを高める要因

  • 早産児(特に在胎32週未満)
  • 先天性心疾患のある赤ちゃん
  • 慢性肺疾患のある赤ちゃん
  • 免疫不全のある赤ちゃん

RSウイルス感染症の対策

RSウイルス感染症は、生後2歳までにほぼ100%のお子さんが感染するとお伝えしたように、完全に感染を防ぐ術はありません。そのため、感染しても重症化しないように予防接種で抗体を作っておくことが大切です。

RSウイルス予防接種の種類

RSウイルスの予防接種は、シナジス、ベイフォータス、アブリスボの3種類があります。
それぞれ接種可能な要件や費用などが異なります。

ワクチンの種類接種対象接種回数保険適用
シナジス生後初めてのRSウイルス感染症流行期を迎える赤ちゃんRSウイルス流行期に毎月1回(計7~8回)あり※条件あり
ベイフォータス生後初めてのRSウイルス感染症流行期を迎える赤ちゃんRSウイルス流行期に1回あり※条件あり
アブリスボ妊娠24~36週のお母さん1回なし

シナジスについて

にじいろ子どもクリニックでは、RSウイルス感染による重症化を予防するため、早産や先天性疾患のお子さんにシナジス予防接種を行っています。
シナジスは以下の要件のいずれかを満たすお子さんについて保険適用となります。
乳幼児医療証も利用できますが、お子さんが適用になるかを一緒に確認していきますので、まずはご相談ください。

保険適用となる基準

  • ① 早産児
  •  |在胎期間28週以下で、接種開始時の月齢が12か月以下
  •  |在胎期間29週~35週で、接種開始時に6か月以下
  • ② 24か月齢以下で、血行動態に異常のある先天性心疾患のお子さん
  • ③ 24か月齢以下で、免疫不全を伴うお子さん
  • ④ 24か月齢以下で、ダウン症候群のお子さん

RSウイルスへの感染によって、重篤な呼吸器感染症状を引き起こすことがありますので、上記基準に当てはまるお子さんにはシナジスの接種が推奨されています。
RSウイルスの感染状況を基に、秋冬の期間中に毎月1回接種を行っています。

接種費用(保険適用の場合)

保険適用の場合乳幼児医療証が使用でき、自治体で決められている費用のお支払い又は自己負担なしとなります。

接種回数

RSウイルス感染症流行期に毎月1回

ベイフォータスについて

にじいろ子どもクリニックでは、RSウイルス感染による重症化予防の新たな取り組みとして、ベイフォータスの予防接種を行っています。

ベイフォータスはシナジスと同様RSウイルス感染に対するワクチンですが、接種回数が1回で済むことが特徴的です。ベイフォータスでは以下の要件のいずれかを満たすお子さんについて保険適用となります。乳幼児医療証も利用できますが、お子さんが適用になるかを一緒に確認していきますので、まずはご相談ください。

保険適用となる基準

  • ① 早産児
     |在胎期間28週以下で、接種開始時の月齢が12か月以下
     |在胎期間29週~35週で、接種開始時に6か月以下
  • ② 生後初回および生後2回目のRSウィルス感染流行期において
     |過去6か月以内に慢性肺疾患の治療をうけた24か月齢以下
     |24か月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患を有する
     |24か月齢以下の免疫不全がある
     |24か月齢以下のダウン症候群がある

接種費用(保険適用の場合)

保険適用の場合乳幼児医療証が使用でき、自治体で決められている費用のお支払い又は自己負担なしとなります。

接種回数

RSウイルス感染症流行期に1回

アブリスボについて

アブリスボは、シナジスやベイフォータスとは異なり、妊娠中のお母さんに接種するワクチンです。妊娠中にワクチン接種をすることで、お母さんがRSウイルスへの抗体を作るだけでなく、お腹の中の赤ちゃんにも胎盤を通じて抗体を渡すことができる特徴があります。生まれる前から抗体を獲得しておくことで、生まれてからの赤ちゃんのRSウイルス感染症の重症化リスクを下げる働きをしてくれます。

アブリスボはシナジスやベイフォータスとは異なり、皆さん全額自己負担でのワクチン接種となります。シナジスやベイフォータスが保険適用とならない場合(1シーズン当たり数十万円かかります)に比べて、薬価が安く早い段階で感染症に備えておきたいご家族にはお勧めのワクチンです。

妊娠中のワクチン接種に関する安全性や疑問などはこちらのページ(現在作成中)をご覧ください。

接種対象となる基準

妊娠24~36週の方

接種費用

30,000円(税込)

接種回数

1回

予約方法

RSウイルスワクチンは接種対象となるか、保険適用となるか判断に迷われることが多い予防接種です。まずは電話でRSウイルスワクチンの接種についてご相談ください。